2021年3月映画鑑賞記録

3月の鑑賞作品数は9本。計10,300円。平均1,144円。

日付 劇場 Scr. 作品 料金 コンセ
3/6 109二子玉川 2 あのこは貴族 0 600
3/10 渋谷TOEI 1 シン・エヴァンゲリオン劇場版 1900  
3/10 HTC渋谷 1 世界残酷物語 HDニューマスター版 1200  
3/15 アップリンク渋谷 2 マジック・ランタン・サイクル B program 1100  
3/15 アップリンク渋谷 2 マジック・ランタン・サイクル A program 1100  
3/16 シネマート新宿 1 ザ・ブルード/怒りのメタファー 1100  
3/29 シネマート新宿 1 ロード・オブ・カオス 1200 300
3/31 シネマート新宿 1 建築学概論 1500  
3/31 新宿ピカデリー 2 ファンタジア 1200  

3月は全く気が乗らず家でひたすらダラダラしてしまった。

そんな中でも『あのこは貴族』は予想以上に良くって見終わった後もしばらく余韻が残る映画だった。社会の枠組みに縛られている女性たちの日本発のガールズエンパワーメント映画と言ってしまえばちょっと単純化させ過ぎだけど、誰かのせいにするでも環境を呪うでもなく、自らの意思によって枠組みの外へ一歩を踏み出す、そんな懸命な姿にじんと来る。あと女性同士の友情と、こちらもそう言ってしまうと浅はかに聞こえるけど、心を通じ合う者同士の煌めきが美しかった。

それと相対するような『建築学概論』は自分がこの数年で相当に潔癖になってしまったなと強く思わされた。この映画は公開後、WOWOWで放送された際に見ていて、80年代少年サンデー的な甘酸っぱい恋愛要素がかなり好みだったのだが、今回見てみると全く乗れなかった。結婚を控えた男の独身最後の思い出のダシに哀れなヒロインを充てがう都合の良い映画としてしか見れなくて、なんでこんな映画を好きだったんだろうと過去の自分を恥じた。当時付き合っていた彼女におすすめ映画として紹介したら、全然好きじゃなかったと言われ、うせやん!?と思ったものだが、こんなヒロインが都合よく使われて不幸な結末を迎える映画を好きになるわけないよなと今更ながら反省する。

『シン・エヴァ』は本当にもう終わりなんだなという感慨が押し寄せてきてしばらくの間、エヴァロスになってしまった。一本の映画として見ればこのラストは極めて凡庸だけど、多くの人と同様に自身の人生を投影させて見ずにいられず、まだ自分の中にあった童心を強制的に取り除かれた気持ちにさせられて、なんともいえない感情になった。2回目をIMAXでと思っていたけど、結局行けず仕舞いで全てコナンに取って代わられてしまった。

現在どのシネコンでも軒並みコナンがスクリーンを占拠していて、中でも1日65回とかいう常軌を逸した回数を上映しているところもあるみたいだけど、これは本当に憂慮すべき事態だと思う。シネコン普及の恩恵でここ10年くらいでミニシアター系と言われた作品がせっかく全国各地で見られるようになっていたのに、こういう舵の切り方をしてしまったせいで、金にならない作品がどんどん切られていってしまっている。そうこうしているうちに体力のある配信にどんどん流れていくだろうし、もう元の状態には戻ることもないだろう。そうも言っていられない状況下にあるとはいえ、終わりの始まりをただ立ち尽くして眺めることしかできないことに歯痒さを覚える。

なんだかんだと4月も半月経ってしまったけど、14歳の栞、万歳ここは愛の道、JUNK HEAD、騙し絵の牙、BLUE、悲城情市と、とりこぼしのあの頃、夏時間をセカンドで抑えておきたいな。